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プレゼン資料の構成をAIで考える|伝わる流れの作り方

提案書や社内説明の資料を作ろうとして、いきなりスライドの1枚目から手を付けて止まってしまった経験はないでしょうか。中小企業や少人数のチームでは、資料作りに使える時間が限られています。それでも、伝わらない資料を作り直す手戻りは一番もったいないものです。実は、見栄えやデザインよりも先に整えるべきは「構成(話の流れ)」です。この記事では、生成AIを使ってプレゼン資料の骨組みを考え、相手に伝わる流れを短時間で組み立てる方法を紹介します。

「なぜ構成が先なのか」を数字で考えると分かりやすいです。資料作りに4時間かけたとして、デザインの微調整に1時間使い、その後「やっぱり流れが違う」と気づいた場合、構成から作り直すと3〜4時間がまるごと無駄になります。一方、構成を30分で固めてから作り始めれば、修正が出ても文章だけ直せば済み、再作業は30分以内に収まることが多いです。順番を変えるだけで、同じ資料でも所要時間が2〜3割短くなる感覚をほとんどの人が体験します。

まずは作る前に「目的」と「相手」を言葉にする

構成を考える前に、最低限の前提をはっきりさせておくと、その後の作業がぐっと楽になります。AIに相談するときも、この前提があるかどうかで返ってくる内容の質が大きく変わります。

整理しておきたいのは、次の4点です。

  • 誰に見せるのか(経営者、現場担当、取引先など)
  • 何を判断・行動してほしいのか(発注、承認、検討開始など)
  • 相手がすでに知っていることと、知らないこと
  • 持ち時間や枚数の制約(5分/10枚以内など)

たとえば見積提案の資料なら「価格の妥当性を理解してもらい、社内稟議に進めてもらう」がゴールになります。このゴールが曖昧なまま作り始めると、情報を詰め込みすぎて要点がぼやけてしまいます。

相手のことをもう一段深く考える

「経営者向け」と一口に言っても、財務を重視する人なのか、現場の改善に関心が強い人なのかで、強調すべきポイントが変わります。相手が普段どんな言葉を使っているか、過去の会話で何を気にしていたかを思い出して書き出しておくと、AIへの指示がより的確になります。

具体例を挙げると、社員10名の製造業者が受注管理ツールを社内稟議で通すためのプレゼンを作るケースを考えてみましょう。社長は「月々の固定費が増えることへの抵抗感が強い」という前提があるとします。この場合、前提として書き出すべきことは次のようになります。

  • 相手:社長(60代、IT経験少なめ、コスト意識が高い)
  • ゴール:月額2万円のツール導入の承認を得る
  • 相手がすでに知っていること:受注ミスが月3〜4件起きていること
  • 相手が知らないこと:ツールの具体的な操作感と、ミス1件あたりの損失コスト
  • 制約:社長との打ち合わせ時間は15分以内

この4点が書けた時点で、AIへの指示として「そのまま貼り付ける」準備が整います。前提が具体的なほど、AIが返す構成案の精度は上がります。

AIに骨組みを相談する

前提が決まったら、生成AIに構成案を出してもらいます。いきなり完成原稿を求めるのではなく、まずは「見出しの並び」だけを相談するのがコツです。

指示の例としては、次のように伝えます。

  • 「中小企業の経営者向けに、業務効率化ツールの導入提案をする5分のプレゼン構成を、スライドの見出しだけで提案してください」
  • 「相手は導入に慎重なので、不安を解消する流れを意識してください」

返ってきた案をそのまま使う必要はありません。「現状の課題」「提案の中身」「導入後の変化」「費用と進め方」といった大きな塊が出てきたら、自分の状況に合わせて入れ替えたり減らしたりします。AIは抜けや漏れに気づくきっかけを与えてくれる相談相手だと考えると、うまく付き合えます。

指示に入れると精度が上がる情報

AIに骨組みを頼むとき、以下の情報を指示に含めると、返ってくる構成案の質が一段上がります。

  • 発表の時間または想定スライド枚数
  • 相手が抱えている具体的な不安や反論(「コストが高そう」「使いこなせるか不安」など)
  • すでに決めている主張や、絶対に入れたいスライド
  • 資料を使う場面(対面でのプレゼン、メールで送付、会議前に回覧、など)

対面プレゼンと「メールで事前送付する資料」では、最適な構成が変わります。前者は口頭補足ができるのでスライドは骨格だけでよく、後者は読んだだけで理解できるよう補足情報を文字で入れる必要があります。AIにこの違いを伝えるだけで、提案される見出し数や各スライドの説明量が変わってきます。

AIの案を編集する手順

AIが返してきた構成案は、次の手順で整理します。

  1. 見出しを紙か別ウィンドウにコピーし、不要なスライドを消す
  2. 順番が変な箇所を入れ替える(「費用」が先すぎる、など)
  3. 抜けている観点をAIに追加で聞く(「導入までの手順が入っていませんが、追加すべきですか?」)
  4. 最終的な見出し一覧を確定させてから、次の文章作業に進む

この作業全体で15〜20分が目安です。骨格が決まれば、文章を入れる作業は格段に速くなります。

伝わる流れには「型」がある

聞き手が無理なく理解できる資料には、共通する流れがあります。代表的な型を知っておくと、AIへの指示も具体的になります。

  1. 結論を先に出す型 … 最初に提案や要点を示し、後から理由を説明する。判断を急ぐ相手や、時間の短い相手に向いています。
  2. 課題から入る型 … 相手が抱える問題を共有し、その解決策として提案につなげる。納得感を重視したいときに有効です。
  3. 比較で見せる型 … 現状とあるべき姿、複数の選択肢を並べて違いを際立たせる。社内検討の材料として使いやすい流れです。

どの型を使うか迷ったら、AIに「この内容を、結論先行型と課題提起型の両方で構成してみてください」と頼み、見比べて選ぶのも一つの手です。同じ材料でも並べ方を変えるだけで、印象や説得力が変わることが体感できます。

型の選び方:相手の「立場」で決める

型を選ぶ基準として、相手がどんな立場にいるかで考えると迷いが減ります。

  • すでに課題を感じている相手には「結論を先に出す型」が効果的です。「何をしてほしいか」を最初に示し、理由を後から積み上げます。時間を取ってもらっている経営者への提案や、改善案を求められた上司への報告に向いています。
  • まだ課題に気づいていない相手には「課題から入る型」が適切です。「こういう問題が起きていませんか?」という問いかけから始め、相手に「確かにそれは困っている」と思ってもらってから提案に進みます。新規顧客への提案や、社内で新しいテーマを立ち上げるときに使います。
  • 選択肢を比べたい相手には「比較で見せる型」がはまります。「現状のまま」「対策A」「対策B」を横並びにすることで、相手が自分で判断しやすくなります。投資判断を求める場面や、複数ベンダーの評価結果を報告するときに使います。

よくある失敗:型をミックスしすぎる

一つの資料の中で型を切り替えると、聞き手は「この資料は何を言いたいのか」と混乱します。たとえば、最初のスライドで結論を示しておきながら、その後に「そもそも課題はこうです」と戻ってしまうパターンがよくあります。型は一本に絞り、必要な情報はその型の流れに沿って配置するのが原則です。

1枚ごとの「言いたいこと」を一文にする

構成が決まったら、各スライドで伝えたいことを一文にまとめます。スライドの見出しは、内容のラベルではなく「そのページで一番伝えたいメッセージ」にすると流れが締まります。

たとえば「導入効果」という見出しよりも、「問い合わせ対応の時間を半分に減らせます」のほうが、聞き手は何を受け取ればよいか迷いません。この一文づくりもAIに下書きを頼み、自社の言葉に直していくと効率的です。

ここまで整えてから、はじめて文章の肉付けやデザインに進みます。順番を守ることで、作り込んだ後に「やっぱり流れを変えたい」という大きな手戻りを防げます。

「ラベル型」と「メッセージ型」の違い

見出しのつけ方を変えると、資料全体の印象が変わります。比較すると違いが分かります。

ラベル型(避けたい)メッセージ型(目指したい)
現状分析受注ミスが月4件、1件あたり2万円のコストが発生しています
導入効果ツール導入後3ヶ月で、ミスがゼロになった事例があります
費用について月額2万円で、初年度から損失コストを上回る効果が見込めます
今後のスケジュール来月中に試験導入を開始し、60日で本格稼働できます

メッセージ型の見出しは、それだけを読み通せばプレゼンの主張が把握できます。相手が資料を後から見返したときや、メールで送った資料を一人で読むときに特に効果を発揮します。

AIへの依頼文の作り方

一文の見出しをAIに頼む場合は、次のように伝えます。

「スライドのタイトルを、内容のラベルではなく、そのページで一番伝えたいメッセージの一文に書き直してください。主語は相手(聞き手)が自分ごとに感じられる形にしてください。」

AIが返してきた案をそのまま使うのではなく、数字や自社特有の表現に書き換えて完成させます。下書きを直す作業は、ゼロから考えるより大幅に速く進みます。

1枚に情報を詰め込みすぎるのを防ぐ

見出しを一文に絞ると、そのスライドに入れてよい情報の量も自然と見えてきます。「問い合わせ対応の時間を半分に減らせます」という見出しなら、入れるべき情報は「半分になった根拠(数字や事例)」だけです。それ以外の情報は別のスライドに回すか、口頭補足として残します。

よくある失敗は、一枚に箇条書きが7〜10項目あるスライドです。聞き手はどこを読んでいいか迷い、発表者は読み上げるだけで終わります。一枚あたりの箇条書きは3点以内を目安にすると、流れが引き締まります。

よくある質問

Q. AIが出してくれた構成案を、どこまで信頼すればいいですか?

A. 構成の「抜け漏れを防ぐリスト」として使うのが正しい付き合い方です。AIは一般的な提案の型は知っていますが、あなたの相手の性格や過去のやり取りは知りません。「この順番で話したら納得してもらえるか」という最終判断は必ず自分でしてください。AIの案を出発点に、不要な項目を削り、相手に合わせた言葉に直していく作業が本質です。

Q. 1枚のスライドに入れる情報量はどのくらいが適切ですか?

A. 目安として、見出し1つ+箇条書き3点以内+補足の数字や図1つです。これを超えてくると、聞き手の視線が迷い始めます。どうしても情報を削れないと感じたら、スライドを2枚に分ける判断をしてください。「枚数が増えるのが怖い」という感覚はあるかもしれませんが、1枚あたりの情報が少ない方が、話しやすくなり、時間のコントロールもしやすくなります。

Q. 構成を固めてから作り始めると、実際にどのくらい時間が節約できますか?

A. 個人差がありますが、社内報告レベルの資料(10〜15枚)で比較すると、「構成を決めずに作り始めた場合」の平均所要時間が3〜4時間なのに対し、「AIで構成を30分で固めてから作り始めた場合」は1.5〜2時間で完成するケースが多いです。削減幅は40〜50%程度が目安です。特に手戻りが減ることと、何を書くか迷う時間がなくなることが大きく効いています。

まとめ

プレゼン資料で大切なのは、凝ったデザインよりも、相手が迷わず理解できる流れです。目的と相手を言葉にし、AIに骨組みを相談し、型を選び、各ページの一文を決める。この順番で進めれば、専門知識がなくても伝わる資料に近づきます。FLEXのような業務AIを使えば、こうした構成づくりや下書きの相談を日々の業務の中で気軽に任せられます。まずは次に作る一本の資料から、構成を先に考える習慣を試してみてください。

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